想像力

 数年前、深夜のニュースをかけながら一杯やっていると、聞き覚えのある声が流れてきた。20数年ぶりとはいえ、「何でS野が?」と思って画面に眼をやると、あの転んで割り箸が刺さって亡くなった子の父親で、医師の過失を問う訴訟提起の記者会見の映像だった。
 確かに親の気持ちとしては割り切れないだろうが、「ちょっと待て」の感が拭えない。S野にしても医者にしても「想像力」が欠けているからだ。
 まず親としての最低の義務。口に長いものをくわえたまま歩き回ることが危険なことをどうしてしつけないか。昔、ボクの家には幼児を連れた若い母親達が始終出入りしていた。そんな子ども達が箸やスプーンをくわえて歩き回ろうものなら、オフクロは「危ない!」と言って抱き止め、取り上げていた。テーブルの上のお茶などの熱いものが入った食器に関しても、「手が届かない所に置け」とうるさく言われたものだ。なるほど見ていると、視線の低い子ども達は、目で確かめようとするよりも先に手を伸ばすから…。こんなことを通し、様々なことに関して、まず想像力を働かせて行動するという姿勢を身につけさせられた。医者の側だってそうであろう、のどに刺さった割り箸の切れっ端は取りました。傷口をルゴールで消毒しました。ハイ、終わり。それでいいか?ちょっと想像力を働かせてみれば、解剖学でやったでしょうが、すぐ先には小脳、もうちょい下には延髄だってある。割り箸全体の長さを考え、幼児だということも絡めれば、もっと慎重な対処ができたはずなのである。
 世の中の様々な分野で専門化が進み、隣接する領域に関しては全く「パッパラパー」であるという「プロ」も少なくない。しかし、数学でいう「排反」、すなわち重なりを持たない隣接領域なんてないはずである。ちょっと想像力を働かせて物事に対処していくことが必要なんじゃないかな?
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by luehdorf | 2007-02-04 12:49 | 酔っ払い | Trackback | Comments(0)
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