自然は頑迷な存在

 山梨県の日川の上流に葛野ダムが作られて何年になるのだろうか? それ以前からカミキリやキベリタテハの採集に出向いていて感じることは、ダムができて以後、極端にこれらの個体数が少なくなったということである。
 ダム建設が行われる前、ペンションSの若オーナーF氏と、「動植物に影響はないんかなぁ?」みたいな話をした。彼は環境アセスの結果から、なるたけダメージの少ない方法をとるみたいだから大丈夫ではないかと言っていた。ダムができて2年後の夏、「ハッシー!、ついに尺ヤマメ…」と言う。なんでも、ダム下流の川虫の生育がよく、ヤマメが例年になく大きいんだとか…。そしてこの現象は現在まで続いている。ボクはダムに多量の水を溜めたことで、冬の水温の低下が抑えられたり、下流の流量が減少したり、はたまたバックウォーター部での有機物沈殿による富栄養化などが重なって、川虫の生育にプラスになる要因が生じ、ひいてはヤマメの餌が増加、そして…、と考えている。
 一方、チョウチョなどに対しては、比熱の高い水が大量に溜まっていることで、冬季の気温低下の抑制やそれに伴う湿度の変化が周辺の微気象に変化をもたらして、彼らが「いやぁ、ここは住みにくくなったからどっか他へ行こう」ってなっちゃったりしてるんではないかと思っている。古くからSに来ているチョウ屋たちの夜の会話は、「ホント、少なくなったよね」。
 そもそも、木を伐って何か人工物を作れば、それ以前より変わってしまうのは当然のことで、「こんな生物がいたから、そのあたりは残します」って、集合住宅で暮らす人間じゃないんだから、「そのあたり」にだけ隔離された生物が、「あぁ、分かった」って世代を繋いでいくはずがないと思う。
 自然保護とか環境保全とか、安易に考えてるみたいだけど、ボクは自然は頑迷でボクらのように簡単には妥協しないもんだと理解している。だからコントロールしようなんて考えることが間違っているとしか言えない。
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by luehdorf | 2007-01-27 00:56 | チョウなど | Trackback | Comments(1)
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Commented at 2007-01-27 06:40 x
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