「ほっ」と。キャンペーン

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そして…

5月4日、目を覚ましたとき、窓外に見える空は薄い雲がかかっていて北アルプスも霞んでいた。朝食を済ませて外に出ると少しずつ青空がのぞいてきていた。この日はいろいろと手を尽くしてくれた甲府の若者の所に寄ればいいだけだから、午前中に崖の湯に入ることにした。
まず標高の高いポイントに出向いた。入り口には X-TRAIL が停まっている。それも2日前にお会いした京都のK様のと同色である。「えっ!こんなトコまで来たの?」と驚きながらプレートを確認すると尾張小牧ナンバーだった。オーナーは林道を入ってすぐの所にいた。挨拶をすると、メスがボロなのに新鮮なオスがいたりして訳が分からない出方をしている、と話しかけてくる。奥の様子を尋ねると、2、3人が鉄塔の辺りで、N様流に言うなら「フール・オン・ザ・ヒル」になっていると…。途中を流すことにして歩き始めた。
陽射しが強くなってきて半袖のTシャツでも汗が出てくる。キャップを脱いでタオル鉢巻にし一服しようと思ったら左斜面から飛び出した。右手がふさがっていたので反射的に左だけで振ると入った。未交尾のメスだった。三角缶に収めてタバコに火をつけ先を見ていると、100mほど先で白いモノが地べたに舞い降りた。白過ぎるのでタバコを吸い終わってからゆっくりと歩を進めて確認すると、何とヒメがスミレで吸蜜している。遠くから証拠画像を狙ってみた。
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松本市崖の湯 4.May.2010
スミレは蜜が少ないので長くいることはないそうなのだが夢中で吸っている。N様秘伝の「手乗り」を企てた。そっと寄っていって腹側に指をさし込み、少しずつ前へ…。大きな刺激を与えないように工夫したがやはりご本家のようには上手にいかない。フワッと舞い上がって路肩よりのスミレにもぐりこんだ。枯葉や小枝がかぶさっているところに体を傾けるようしてに入り込んでいる。
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今度は少し寄って撮れた。交尾済みのメスだった。
ここは道の周辺やカラマツ林の中にはウスバサイシンが見られず、どうも崖になった広葉樹林から発生しているようなのだ。しばらくごそごそと地べた近くを這い回って大汗をかき、昼近くになったので撤収を決めた。そのときに気づいた。メガネがない!写真を撮るときに頭に挿したはずだったのがどこかにいってしまっている。
手乗りを策して翔ばれたときの動きで落ちたのだろうと当たりをつけて戻ってみた。見当たらない。最初のスミレはこれ、次はこいつ…、と行動を再現しながらかがんで探す。あった! フレームの茶色が隠蔽色になって道の真ん中の枯れ草の上に鎮座していた。
やれやれという思いで車に戻るとウィンドーが全開になっていた。「暑くて…」…、すぐにエンジンをかけてクーラーを on にする。2日前の朝はヒーター全開だったのに…。
下りながら聞こえるラジオの交通情報はUターンラッシュの始まりを告げている。北上して美ヶ原経由で諏訪に下りることにした。これが正解だった。程なく長野道で事故があり、その影響でR20も止まってしまったというのだから…。さらにはこの日、午後になって松本の気温が30℃超!いつもにない適切なルート選択だった。
一般道をトコトコと甲府まで走らせ、いつものように渋滞が短くなるまでの一休み。風呂に浸かってマッサージを受け、夕食も済ませて帰着した。
次の指令があるまではまた一般人としての生活が…。そう、「工作員」の日常は「善良な市民」なのであるから。

帰宅すると、「人でなし和歌山亜種」のK様からのメールが…。何と美ヶ原で「ヒメ+BBQ+焼酎」の日々であったのだと…。発信時からしてボクらが通過する頃はまだあそこでのんびりしていたはずで、その気になって探せば「稀種」に遭遇でき、今回のミッションの件を伝えたら、「P!早ょ言って来んかい。一日くらいは出向いたのにぃ~」というお得意のツッコミが聞けただろうに…。
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by luehdorf | 2010-05-08 11:50 | チョウなど | Trackback | Comments(12)

さらにミッションHG…

N様、P様の野営地と我々の宿は60km余りの距離がある。普通に走って1時間強、彼らの朝の出発には間に合わないことは自明だった。
自販機で見つけた面白いドリンクを携えて到着すると「BD号」のワイパーにメッセージが…。ドリンクの入った袋をリアワイパーに引っ掛けて近くのコンビニから電話すると、峠の向こうに行かれたとのこと。それなら安心だから、こちらはいつものパターンで行動させてもらうことにした。
パートナーがお気に入りの場所に行き、こちらはちょいと「定点」の様子を観測。周囲の木々の芽吹きは遅くてまだまだの気配である。先まで行くと言ったパートナーが戻ってきたのを潮に観光ドライブへとシフトした。
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フキ (43年前、宮城で初めて採ったヒメはこれに来ていたっけ…)

パートナーの毎年の楽しみはソバとおやきである。彼女の好みのソバ屋はこの時期とても混み合って、ともすれば「売り切れじまい」になってしまうこともある。「大丈夫かなぁ?」と2人して懸念しながら到着すると、かつて板橋区成増にお住まいだったというご主人が、「まだあるよ!」と…。山菜の天ぷらともども1枚ずつたぐってご馳走様。
そこからさらに走っておやきの店へ…。店の中は立錐の余地なく混んでいる。目当ての「野びる」に「×」がついている。聞くと、売り切れた後に材料が到着し、30分ほど待てばいいのだという。これは待つしかない。涼しい風の吹く戸外をブラブラした。庭にユキヤナギを見つけたので「たかってないかな?」と探していると、コツバメが吸蜜に来た。
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長野市鬼無里 3.May.2010

銀塩で撮っていた頃、老眼ではピントが合わせにくくなって写真が辛くなった。オート・フォーカスはその点では便利だが構図がいつもおんなじ…。トリミングのかけ方の練習をしなくっちゃぁ…。
そうこうしているうちに頼んでいたものが出来上がり、今回も目的は達成したと思っていた。
帰途、数年来の我々のブームの「コシアブラ」などの山菜も入手し、快調に宿を目指しているとナビシートから「ワサビの花!」と…。そうだった、毎年春先に近くのスーパーにも出回るワサビの花が今年はなくて、今回の旅で手に入れようとしていたのだった。確実と思えるのは穂高の「大王わさび園」なのだが、大型バスがいっぱい来ていてごちゃごちゃする園内が嫌いで行きたくない。まず、以前よく買っていた駅前の土産物屋を目指した。パートナーが降りて聞いてみると売り切れ…。そこで思い出した。免許をとってたった一人で出かけてきたとき、松本の先輩に勧められたわさび漬けの店、そこには確か置いてあったはずだ。店の前に車を停めて急いで駆け込むと「あった!」。
これをどうするか…。
①3cm位の長さに切りそろえる。(花穂もすべて使える)
②塩をかけてよく揉み込んで2,30分置く。
③水洗いして塩を抜く。
④グラグラに湧いたお湯をかけて1分ほど(きれいな緑色になる)したらざるにとって水で冷やす。
⑤密閉容器に水を絞って入れ、酒と醤油を適宜加える。(醤油の多少は好みで…)

こうやって冷蔵庫に入れておくと、2、3時間後には鼻にツンツンくる「ワサビ花」の浸しものになる。冷蔵をきちんとしていれば10日ほど楽しめる。市販のこの手のものは甘酢漬けになっていることが多く、それに対するパートナーの評価は厳しいものがあるので、我が家ではシンプルに酒と醤油にしている。
大騒ぎの後宿に帰りTVをつけると、朝R147で通りかかったコンビニの映像が…。パトカーが3台来ていて慌ただしい動きが見えたので、「強盗かも?」と言っていたらまさしくそうだった。
風呂に行こうとしてN様に電話すると、当初の予定通り「K」へ向かっているとのこと。夏にまたお会いできることを期待して受話器を置いた。
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by luehdorf | 2010-05-07 00:17 | チョウなど | Trackback | Comments(6)

ミッションHG…

4月24日、久留米のN様から「『ミッションHG』ということで信州へ…」とのメールを頂戴した。GWはいつも信州で遊んでいるので異存はない。しかし、ヒメギフをと言われると少しばかり自信がなくなる。
東北人であるボクは、実家周辺で飽きるほどヒメギフを追いかけていたので、ギフと天秤にかけるとどうしてもヒメギフの方が軽くなる。したがって「信濃ヒメ」と言われると、入笠とか松本周辺とかしか思い浮かばないものだから…。
その後の連絡で、ガイドを務めてくださる優秀な方々が集まるとのことを知り、こちらは「後方支援」および「補給」をメインにすればよいとの結論に達した。
5月1日、「輸送担当」のP様のブログによれば早朝6時に出発し、昼過ぎには大阪に着くとのこと。こちらも準備にかかり始めた。
まずは弁当。我が家の定番は「おにぎり+いなりずし」で、いなりずしの担当がボクなのである。近くの豆腐屋へ出向き、「揚げの開きやすそうなところを…」と…。そして京都のお生まれのP様、東京生まれで(少し)横浜育ちとはいえ、青春の一時期を京都で過ごされたN様のことを考え、いつもよりも薄味で揚げを煮た。そんなことをしながら家中の掃除などの雑用も済ませる。こちらは偶然に休みとなったが、連休を暦通りに休むためにパートナーは仕事に出ているのだから…。
夕刻、帰宅したパートナーの体調がいまひとつであった。熱はないものの咳がひどくだるそうにしている。入浴と夕食を済ませて仮眠をとってもらう。
11時過ぎになってこちらは本格始動。いなりずし用のご飯は、合わせ酢をうった酢飯と梅酢、紅生姜のみじん切りにごま塩を合わせた飯の2種類を用意した。さらにおにぎり用の米を研ぐ。
12時前、パートナーが起きてくる。彼女が身支度を整えている間にご飯が炊き上がり、具(梅、カツオブシ、昆布)のセットを済ませて洗い物にかかる。その後、テルモスに詰めるコーヒーを落としたりして、仕度が完了したのは明けて2日の1時過ぎだった。
残ったコーヒーを1杯ずつ飲んで一息入れてから家を出る。関越の練馬に入ったのはちょうど2時だった。
鶴ヶ島で圏央道に入り中央道へ…。さすがにこの時間では快調である。早朝5時過ぎに豊科を出て、高瀬川の右岸を走る道で道の駅・松川に入りトイレ休憩をする。このときの気温が2℃。車内はヒーターで暖め、毛布もかけていたのだが、下りたときに冷気を吸ってパートナーの咳がひどくなる。早々に車に戻り、ヒーターを最強にして落ち着くのを待つ。温かいお茶を飲んで少し落ち着いたので、川を渡って池田に出、県道を大町方面に進む。この道の方がR147よりも信号が少なく、大町の南借馬までは早く着ける。20年以上も前、かわいがってくださった「信濃毎日」の記者の方から教えていただいた道である。
6時過ぎに前夜N様から聞いた場所に行き着くも有名な「青春のBD号」の姿がない。「ひょっとして道の駅へ移動したかも?」と国道を戻るもそこにもない。電話をするとどうもオリンピック道路沿いにも同じような場所があるみたいだ。国道から外れて行ってみると「BD号」がある。そしてカメラを手に活動を始めようとするN様の後姿が…。「BD号」の脇に駐車して挨拶を交わす。パートナーとN様は3年半ぶりになるのか…。
「支援物資」を手渡した後、P様が入れてくださったコーヒーをいただいてしばし談笑。こちらの事情を話し、お出でになるK様などに挨拶を済ませて7時半に現地を発った。
宿に着いて一息入れていると、「こんないい天気だし、その辺に出てみようよ…」。幾分調子を取り戻したパートナーが言うものだから崖の湯周辺を周って見ることにする。
初めに高ボッチに寄ったポイントに入る。入り口には大阪ナンバーの車があり、脇で佇む方がいた。状況を尋ねると全くダメであると言う。自分の目で確かめるべく林道に入ると、しばらく行った先に品川ナンバーのセダンが停まっていて、その先を下ってくる若い人が…。「全く見ません。この先にも4、5人入ってるんですけどnullです」と…。30分ほどうろついてから下のポイントに移動する。車から降りてカラマツ林の中の小道を下る。先がカーブしているところに陽の当たる「たまり場」があったはずだ。10分、15分…、待っても翔ぶ姿は見えない。気温はそこそこでも風が冷たい。日光浴を楽しむルリタテハがいたので遊んでもらった。スゥーッと旋回して枯葉の上に舞い降り、陽の光が正確に翅や体に当たるように向きを変えてから開翅する。
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ルリタテハ 長野県松本市 2.May.2010

10分ほど遊んで戻ると、「車の周りを翔ぶんだけど…」と…。聞くと、カーブ下の斜面から舞い上がってきて車に絡み、また下りていくのだとか…。ちょうど行きあわせた女性が「へぇ、どんなチョウチョなんですか?」とか聞いてきて、3人で様子見をしているところに関西弁の若者がやってきた。ヒメ初体験で、諏訪の方のペンション「F」のオーナーに教えられてはるばる来たのだと言う。「人はいないし、ホンマこんなところで採れるんかいな、って思いながら歩いてました」。「そこに出てきてるって言うからがんばってみれば」。「採らしてもらっていいんですか?」。「初めて」と言う人には採らせてやりたい気持ちが優先した。ほどなく車に絡むヒメが現れた。「ホラ来たよ」と言うと、青年は思い切りダッシュして振った。外した。ネットをかわしたヒメは翔ぶスピードを少し速めて斜面を下った。青年も猛然と追いかける。何か声がしたので採れたと思った。
5分ほどして彼は息を切らして登ってきた。「ブッシュには入られてもうて…」と肩を落としている。聞けば葛城山のギフを見せられて目覚めて3年目、ヒメで166種になると言う。「ここにいさせてもろていいですか?」というから、「待っててみれば」と…。
話をしながら見ているボクらの前には一向に姿を見せない。車に戻って助手席で休んでいたパートナーが「あそこ!」と声をかけてきた。指差す方を見ると道の反対側の斜面を舞っている。そしてそれが木の枝に静止するのが見えた。姿も確認せずに登り始めた青年は全く別の方向に進もうとしている。「左だよ!」と声をかけながらこちらは直登する。軌道を修正してきた彼に、「これの先の木の枝に止まってる」と指示すると、今度は間違うことなく進んだ。彼が行き着く寸前に舞い上がったヒメがふんわりと枯葉の上に舞い降りる。しっかりと確認した彼は少し慌てながらネットをかぶせた。ネットの裾を持ち上げるとヒメは捕われたことを知らぬかのように舞った。
戻ってきた青年は、「まだ手が震えて…」と言いながら、「おかげで採れました。ありがとうございます」と…。そして車から降りて見守っていたパートナーに、「奥さんの目はすごいですね。ボクなんか目の前を翔ばれてやっとだったのに…」と…。
時刻は午後の2時近く、ほぼ徹夜で出てきたこちらは少し疲れを感じてきた。「じゃぁ、がんばって!」と声をかけて宿に向かった。
お茶を一服してベッドに横になっていると眠ってしまった。目を覚まして風呂に入り、N様に電話を入れると首尾よく撮影に成功したとのこと…。明日は自販機で見つけた面白い飲料を差し入れしようか…。
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by luehdorf | 2010-05-06 01:08 | チョウなど | Trackback | Comments(4)