「ほっ」と。キャンペーン

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ミッションK(その2)

 野営場所に戻ったのは6時少し前だった。アッキーパパは、近くの空き地にテント場を見つけてテントの準備にかかり、こちらは焚き付けを探して火を燃やし始めた。
 6時ちょうどにNさん一行が到着した。Pさんが車からプラケースをわんさかと担ぎ出し、コンロや鍋をセットし始める。Nさんが空港でガスのボンベを没収されたとかで、カセットコンロのガスが足りるかどうかと心配している。火にとりついていたボクに、Kさんからビールの缶が差し出された。「えっ?もう?」。「呑みながらでもできるでしょう」。異存はない。テントを張り終えたパパが戻ったところでまずは乾杯。子どもたちはコーラ。
 ほどなくピリ辛の餃子が焼き上がり、テーブルの真ん中にドーンと置かれる。このムダのないスピーディーな進行は、さすがに「野遊びの手錬れ」の感がした。遅れてはならじとこちらも「タン刺し」の仕度を始める。隣ではPさんが、今度はニンニク餃子の焼きにかかっている。話をしながらタンを切っていて、ひとつ忘れ物をしたことに気づいた。「Pさん、レモンって持ってきてます?」。「ありますヨ。ライムも…」。何? ライムまで! ウィスキーを最近流行っているハイボールでやるために、レモンとライムを準備したのだという。さすがぁ~。
 タンを盛り付けてニンニク醤油とネギを振り、さらにスライスレモンの小皿を…。そしてエキス入りの焼酎を卓に乗せるとNさんの相好が崩れた。
 2年前、用事で上京の際、タイトなスケジュールの中の1日をボクとの「呑み」に割いてくださった。その折、2人で1升余り空けた因縁の酒である。あのとき、10時頃にマスターが、「いやぁ、2人で1本空けたなんてのは久しぶりだよぉ~」と…。そんな話で盛り上がっていると、ついと立ち上がったKさんが、車にもぐりこんで何かをしている。ほどなく3連符のストロークのギターの音が響き始めた。
 ?!! サベージ!
 何個かあるボクのスイッチの、一番危険なヤツが入ってしまった。中3から高1の時期に、最も夢中になったグループだから…。
 KさんのCDコレクション、8時間ほどあるそうなのだが、みなこのような’60s,’70sなのだと…。そしてKさんと「チョウチョ採り」に同行するアラ還、オーバー還のオヤジたちは大喜びするのだと…。当然です!
 調子に乗って歌いかつ呑み、徐々に崩壊するボクを、アッキーとタカは横目で見ながら炭をあおいでいた。「あ~ぁ、オッちゃんついに壊れちゃった…」。
 宴会場の脇にはおよそ80cm四方の、焚き火に好適な場があった。熾った炭をそこに盛り、周囲に串を打ったイワナをかざし、アッキーとタカは焼きに余念がない。彼らの苦心の作は皆さんに振舞われ、好評だった。
 モチモチの味噌ダレ餃子が焼きあがる頃、Pさんにも少しずつ兆しが見え始めた。Kさんにお願いして「南佳孝 the best」をセットしていただく。もちろん口開けが「モンローウォーク」で、Pさんが歌い、そして舞い始める。ならばボクも…。Pさんに強烈な突込みをかましていたKさんも続く…。およそ3~40分、オーバー50のオヤジたちの体力がよく持ったものである。
 周囲が漆黒の闇となり、星空が美しく見えるようになってきた。北には山の稜線に沿うように北斗七星が、見上げれば白鳥座がくっきりと…。行きの車の中で、「星座なんて意味が分かんねぇ~」とか言っていたタカも、実物を見てイメージが湧いたようだった。
 焼酎が終わり、ウィスキーも半分くらいになった頃、Nさんの携帯が鳴った。名古屋発のⅠさんからである。高速を降り、R19を疾走しているという。速い!そして30分後、R361の「新地蔵峠トンネル」にかかるという。Nさん、Pさんともども国道に出て、お迎えの準備に…。Nさんは「星を見るにはこれが…」と道路に横たわる。しかしそこはちょうど走路だから路肩に寄ってもらう。
 ヘッドライトが見えた。目の間隔が狭い。案の定交差点を曲がっていってしまった。そしてもう1台。これだ!と路上で手を振ると、交差点で停車してバックで脇に入っていく。違ったか?またNさんの携帯が鳴った。応対を聞いていると間違いない。Ⅰさんである。
 降りてきたⅠさんと挨拶を交わす。普段ブログでやりとりをしているせいか初対面の気がしない。カセットコンロやトロ箱を車から降ろしたⅠさんが、お仕事の疲れも見せずにフライパンを振る。1kg超のステーキとつけ合わせの野菜が盛られ、シャンパンの封が切られる。こんな野宿ってありなの?
 シャンパンで乾杯し、Ⅰさんが持ち込んでくださった数々のお酒をいただきながら第2ラウンドが始まった。あれやこれやと楽しい話が続く。Pさんがゆったりと回想していると、Kさんから「早よ話さんか!」と突込みが…。それを見て周りが大笑いする。お二方を見ていて同級生はいいなぁと思ったし、Kさんが、チョウチョ採りよりもNさんとの「呑み」を優先するという話をなさっていて、これが「D.U.B.C」の本質なんだと思わされた。
 「十四代」、「越の景虎」、「奥飛騨ウォッカ」…、幸せな酔いを感じながら、楽しい夜は更けていった。
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by luehdorf | 2009-08-27 00:15 | チョウなど | Trackback | Comments(11)

ミッションK(その1)

 6月6日、一通のメールが届いていた。
 「…今年こそ開田高原へ行こうと思ってます。」、称して“ミッションK”と…。
 正月に参加した「斜め45度の会」の総会でのいろいろが思い起こされた。またNさんやPさんに会える!一もニもなく「OK」の返事をした。
 翌週の週例会、定時に「鳥かつ」に着くと、一週間の疲れを吹き飛ばして元気に呑む、アッキーパパの姿があった。駆けつけの酎ハイを空けて一息つき、話を切り出した。「8月の盆過ぎに、……な集まりがあるんですが、アキとタカを連れていかがですか?」。「いいですねぇ、でもジャマになりは…」。万事アバウトなボクは、「大丈夫ですよ。チョウチョが好きなら…」。それで決まった。
 そこからの2ヵ月半、日めくりを1枚1枚剥ぎ、少なくなるのを楽しみにするような日々が続いた。「何を持っていこうか?」というテーマで3週、結局というよりも当然、「鳥かつ」の「タン刺し」と「エキス入り焼酎」に決まった。
 次に悩んだのは、i様から頂戴したカメラをどうしようか…ということである。直前まで迷った末、皆様名だたる「撮り屋」であるからここは「採り屋」に徹するとともに、被写体になってやろうと決めた。
 8月9日、詳細なスケジュールについてのメールが入った。ボクの大好きな「野宿」であるという。アッキーパパに連絡をとって、アッキー家でのキャンプに使っているテントの準備を依頼する。その他に関してはアバウトなボクが何とかしようということで…。
 8月21日、出発の前日である。この2日前に急に仕事が入り、午後一で出かける。3時までと思って出向くと4時までだという。ちと困った。仕事が終わって戻ると5時を過ぎてしまう。ドライアイスを仕入れようと思っていた店は「5時ごろまでは開けてますが…」。ってことはちょいと過ぎても大丈夫か…。駅に降り立ったのは5時5分前、駐車場にダッシュして車を出し、店に着いたのは5時10分、「開いてて良かったぁ~」。
 7時過ぎ、「鳥かつ」に…。「タコ刺し」をつまみにグラスを重ねながら、「マスター、例のヤツを…」と…。「おぉ!明日だっけ?作ってあるよ」。冷蔵庫から立派なのが2本。「これだけあれば間に合うだろ?」とフリーザーパックへ…。「それで『酎ハイ』の原液も…」というと、「Nさんもいるんだよな?じゃぁ…」と角の空き瓶に口開けのヤツをたっぷりと…。9時過ぎに帰宅し、装備の点検をしてフローリングに横になると寝入ってしまった。
 夢の中で目覚まし時計が鳴っている、寝惚け眼で時計を見ると午前4時。起き出してきたパートナーが、「寝過ごすといけないと思ってセットしておいた…」と、感謝! 前日夕に落とし、冷蔵庫で冷やしておいたデカグラスのコーヒーに氷を落として目覚めの一杯、すっきりとした気分で車に向かう。給油後に待ち合わせ場所へ…、ちょいとアクシデントはあったものの、Let’s go !
 板橋から中央道の下りへ抜けるのには、「山手トンネル」というショートカットルートができたので便利になったのだが、高速の定額化の影響は大きい。首都高4号線との合流からの渋滞がトンネル内まで続いている。4号で三鷹の料金所を過ぎ、調布辺りからはノロノロと…。中央道に入る手前、石川のSAで小休止する。ここまでの表示では大月まで2時間以上とある。Nさんたちがいる「…峠」にはギリギリで昼か?
 その後、八ヶ岳PAで小休止および昼食を入手、長野道の塩尻北ICで降りて突進するも現地着は昼を回っていた。駐車場に「BD号」は見当たらない。もしやを期待して30分ほど付近を散策するが無為。これは移動したと判断し、野営地へ進むことにする。道路脇、斜面に落石防止で張りつけたコンクリート面は、キベリやエルが占有するのに最適な感じである。ゆっくりと走らせてルッキングするがまるで見当たらない。途中でネットを持った方がお二人。70過ぎの方と40代前半の方、親子か? 様子を聞いてみると一つしか見ていないという。これでは初心者のアキやタカには無理なので、陽射しを避けられる場所で昼食休憩とした。そのうちに道に沿って翔ぶミヤマカラスアゲハの姿が…。子ども2人は食事も忘れてアタックする。何とかネットインしたのは完品のオス。「キレイだぁ!」と感動している。タカは「これガだよね?」と叫んでいる。翔ぶ姿はタテハである。「採ってみろ!」と声をかけると、斜面に静止したのにうまくかぶせた。立派なシータテハ、和名(学名もそうだけど…)の由来である裏面の「C」を示すと、「ホントだぁ!」と喜んでいる。
 よさそうな場所でちょこちょこと採集をしながら集合場所に着いたのは午後3時。アキにN様へ連絡を入れさせる。きちんとした電話対応も彼のためであると思うので…。パパやボクに言われたことを小さい声で復唱しながらテンキーを叩いた。挨拶がきちんとできたところで代わり、到着を知らせ、先方の様子を聞く。某所でツマジロウラジャノメを追っていて、4時過ぎに汗を落とすとのこと。お風呂の場所を聞き、こちらも合流する旨を伝えた。約1時間のフリーな時間ができた。近くにトウモロコシを売っている場所があるのでとりあえず調達しようということになった。木炭は車に常備してあるので「焼きトウモロコシ」をというわけである。するとそこには「釣り堀」の看板が…。子どもたちが「釣りやりたい!」と…。1時間の時間制限をつけて釣り竿を持たせた。餌付けと針外しはパパとボクという「大名釣り」である。
 やらせてみて分かったことが一つ。魚が見えるものだから、針を魚の目の前に落として食い気を見せたヤツが餌を追うと、「エイヤッ!」と合わせをくれる。食いついていないのだから当然針がかりしない。そんなんでかかるのはスレで間違って針のかかる運の悪いヤツだけだ。浮き代わりの目印の動きで合わせなければいけない事を口を酸っぱくしていうのだがダメ。10月以降の「釣り実習」での課題が見えた。お前ら覚悟しとけよぉ~。
 何とかかんとか5尾を仕留め、ワタを抜いてもらってクーラーボックスに収めてお風呂に向かった。到着は4時30分過ぎ。受付を済ませて湯殿に向かうと、窓際のベンチには懐かしのNさんが…。そしてPさんとその同級生のKさんもご登場。挨拶と紹介の後、現地に6時に集合とのことで、先方は休憩、こちらは湯浴みとなった。
 タカは釣りの際に落ち着きなく移動をしていて、軽い仕掛けが風にあおられて針を木の枝に引っ掛けてしまった。肩車をすれば届きそうだったのでそうしてやったのだが、時として自分のミスに対して照れ隠しなのかぞんざいな始末をすることがあり、このときもしっかりと枝を引っ張ろうとしなかった。そのためにハリスが切れ、アウトになってしまった。竿と仕掛けを持って移動しないと今回のような失敗につながることを指摘するとムクれた。今回は木だから良かったが、自分の体や他人の体に引っ掛けたら危ないことなのだということをしっかりと教えなくては…。風呂でもムクれてまともに返事もしないタカに、ボクは冷水をたっぷり含ませたタオルを頭の上で絞ってやった。
 頭を冷やせ!
                                                   (続く)
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by luehdorf | 2009-08-25 01:51 | チョウなど | Trackback | Comments(12)