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ボクのモノサシ

 馬齢を重ねても「へそ曲がり」は直らない。どんどん曲がっていって360度になればまともになるのかもしれないが、175度辺りで止まったまま…。
 山形・大石田がルードルフィアの採集禁止を打ち出したのは20年ほど前だったろうか?確か、彼の地に住み着いた外国人の陶芸家かなんかが言いだしっぺであったと記憶している。その後、いろんなところが同じような措置を講じ始めた。
 しかし、多くのところが単に「天然記念物」に指定して「採集禁止」にしただけなのである。
 白馬が採集禁止にしたばかりのころの出来事。某所で春の陽射しの心地よさに思わず横になってしまっていた。背後の林で不気味な物音がするから起き上がると、猟銃を構えたオッサンが…。「ヒトですよ!」って声をかけると、「ビックリしたよ」と…。ビックリしてるのはこっちの方なのだが、オッサン、ボクの脇のネットに目をやって、「ギフチョウは採っちゃいけないだ」と…。「そんなに少なくなってます?」と問うと、「いやぁ、見たことないんで分からん」…。そこへちょうどよく翔んできたのでネットに入れて見せてやった。「なんだこんなヤツなのか」だって…。さらにその後、すぐ前のスミレの群落にちょこちょこと翔んで来るので、「モンシロチョウよりも多くいるでしょ?」っていうと、「みんな『少なくなってしまった』っていってるけど、こんなにいるんだ…」と…。行政や「ナンタラ保護の会」の明らかなミスリードの産物である。
 大体、白馬なんかは種指定ではなく地域指定だけでいいはずだと思うのである。例えば、神城からみそら野までサンクチュアリにするとか、駅から八方へつながる道路を境界として、南はダメ、北はOKっていう風にすれば、いまだに「イエローバンドはギフチョウの亜種で…」とかいう訳の分からないことをいったり書いたりしている、故A氏の子分の連中だって無駄な労力を費やさなくて済むと思うのだ。
 また、平成の大合併で町名が変わったのに、いまだに旧町名の看板を直していない所もある。これなんか、指定のしっぱなしで何もやっていないことが見え見えだ。
 ボクは行政などのこういう姿勢を「採る」か「採らない」かの判断基準にしている。きちんとした調査や管理がなされているなら、そのデータを壊すようなことはしてはならないので手出しはしない。看板や何かを置いてるだけで何の方策も講じていないところは採って構わないと思っている。
 12,3年前、飯田に出向いたとき、案の定監視ボランティアの老人がやってきて高飛車にものをいってきた。三角缶を持たずネットはたたんでいてカメラだけで追っていたのにである。谷を挟んだ向かい側の斜面に重機が入っていたので、「あっちのギフはいなくなってもいいんだ」っていうと、声音が弱くなった。そのとき聞いたのが、当時の飯田市のギフ保護の予算は年間30万円…。何ができるんだろうか?この次にくる機会があったら採ろうと思った。
 赤城のヒメギフのように発生個体数のカウント、産卵数のカウントなどがきちんと行われ、そのデータ集積がなされているところにネットを出してはいけない。そうやって集められたデータは、いずれ他のどこかが同じことをやる場合の基礎データとなるからだ。しかし何にもやっていないところは、黙っていても木が繁ってきたりしてて環境が悪くなり、自然にチョウチョがいなくなってしまうのだから、採ってあげればいいのだ。
 そうやって採ったチョウチョを一番大事にするのは「チョウ屋」なのだから…。
by luehdorf | 2008-05-11 02:16 | チョウなど
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