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チョウセンアカシジミ考

 河北新報の記事によれば、山形県川西町でチョウセンアカシジミの卵が盗まれたとか…。誰が言ったか知らないが、岩手と山形と新潟に局地的に分布する「貴重な」チョウだから保護せにゃならんとばかり、トネリコを植えてサンクチュアリをつくったところから削ったそうだ。いわば牧場の牛を盗むような所業である。よせよそんなこと。サンクチュアリを離れたところにだっているから、人目につかないところでこっそりやればいいんだよ。
 私見であるが、チョウセンアカシジミは帰化種であると思っている。歴史に弱いので時代の詳述はできかねるが、かつて東北地方で金を産出した頃、大陸や半島から随分と人がやってきていたらしい。その折に、稲の「はさ木」の用途ででもトネリコが持ち込まれ、それに付いていたチョウアカが増えたのではなかろうか。分布が局地的なことはその最大の裏づけにはならないか。 40年ほど前、岩手の田野畑で卵採集をしたとき、田んぼっぺりの2mほどのトネリコがホストになっていた。林の中のでかいトネリコには全く付いていなかったことからも、稲作と結びついた田んぼ周辺のトネリコに依存性の高い種であると言う感を強くもったものであった。事実、田野畑周辺では昨今、チョウアカの個体数の減少が樹木の密生にあるから、伐採をかけろという話が出ていると耳にしている。
 そもそも、そこまでして保護をする必要があるのかの感が拭えない。これでは自然の「動物園化」ではないか。自然が、とかいいながらそれほど人の手が加えられるなんて、何て不自然なんだろう。チョウアカがいなくなったって、ボクらの生活に何の支障もないんだから、そんな目に角を立てるようなもんじゃないと思う。まぁ、サンクチュアリをつくり、そこを守ろうとしている人たちの意気込みに水を差すつもりもない。どうぞ勝手におやりなさいと言うだけだ。
 削るヤツも削るヤツだ。楽しようとするなよ。確かに世の趨勢は「採り屋」には厳しい状況で、何かっていや規制がかかる。でもそこで知恵を絞ってこそ「採り屋」の本領ってもんじゃないの?白馬のギフだって、下の方じゃ人目があって厳しいけど、上の方へ行きゃ「何でこんなんが保護対象種なんだよ」っていうくらい翔んでんだもん。何せ目にするチョウチョはギフばっかだよ。あんな所で種を指定する愚って言うのは明らかだ。釣りの入漁券のような制度、あるいは地域を限定して指定すべきだって関係者にも言ったんだけど分かんないんだよね。あれだけ広範囲に発生していたらまともに監視なんてできないし、そんな予算だって町側はとれないでしょ。チョウアカも同様である。岩泉の龍泉洞周辺はまだ辺りのトネリコに卵が付いている。川沿いにトネリコを見ていけばそんな苦労することもなく採れるはずである。雫石だってちょっと歩けば…。だから川西や米沢にしても、人の目につかない場所を探せばいいんだよ。それが「採り屋」としての想像力・推理力で、よっぽど快感なんだがなぁ。
 こんな時代だから、他人との摩擦を起こすことなく採って楽しみたいよね。
by luehdorf | 2007-03-30 00:21 | チョウなど
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