ベランダ園芸
初めはギフチョウの飼育のため、山採りのカンアオイやウスバサイシンの鉢植えをつくる必要があったからだった。そのうちにハーブに興味がいき、ラベンダー、セイジ、タイム、ミントなどの種を買ってきては蒔いた。前の住まいが南向きだったため、夏の暑さにやられるものが多く、結局は、ローズマリーとスペアミントそしてスウィートバジルのみを残した。あまり熱を入れなくなったのにはもう1つ決定的な理由があって、「ガーリックチャイブス」という新しい名前を見つけて種を蒔き、そいつが大きくなったら「ニラ」だったから…。そうだこいつも一鉢残ってた。
その後は種は買わずに、食べたときに出る種を蒔くようになった。そうやって鉢になっているのが、清見オレンジ、高知の文旦、ポンカンなどの柑橘系と唐辛子、そして冷蔵庫の隅っこに落ちていたムカゴから育ったヤマイモである。実生の柑橘類は、台になる苗でも買ってきて接木をしないと花をつけないと思うのだが、暖かくなって、新芽をぐいぐいと伸ばす姿を見るのは楽しいものだ。そのうちに東京にも侵入しているナガサキアゲハでも呼んでくれないかと期待もしている。 いまもっとも多いのが「パンダカンアオイ」で、これは栃木に住む学生時代の後輩が、「葉っぱがでかいから飼育に便利だヨ」って言って、3株くれたのを増やしたものだ。3,4年株分けをしていないので、ずいぶんと込み入った鉢やプランターもあるから、何とかしてやろうと思うのだが、忙しさにかまけてほっぽらかしたままになっている 以前、千葉に遊びに行ったとき、姉崎の県道沿いの園芸店に「カンアオイ」って書いてあるのを見つけて覗いてみたら、1株2葉にきちんと仕立てた「パンダカンアオイ」が、1鉢8,000円とか1万円で売られていた。自分のところに何株あったっけ、と思いながら見ていると、店の主人が「安くするよ」って声をかけてきた。「あっ、いやっ、うちに30株ほどあるから…」って言ったら、「何にするんだ?」って聞く。「チョウチョの餌」と答えると、「これを虫に食わすとは罰当たりだ」って叱られた。車に戻ってその話をすると、パートナーは、「どんどん増やして売ってあげればいいじゃない」だと…。彼女の言では、「チョウチョは金がかかるけど、カンアオイは金になる」。なるほど一理ある。 先日、沖縄のシークワーサーを一鉢手に入れた。あとは、実生で1年育て、冬に大事にしすぎて根腐れさせてしまったアーモンドを、もう一度種からやるか苗木を手に入れるかだけだ。 物言わぬ鉢植えとのつきあいも、色々と手をかけてやることで育っていくのを見る楽しみがあり、妙に忙しくてささくれ立った気分を癒してくれるものでもある。これからの時期の扱いは、来春の新芽時の喜びにつながる。せいぜい気張って手入れをしてやろう。
by luehdorf
| 2006-11-18 00:39
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